DTFは “Direct to Film”または “Digital Transfer Film”の略称で、 フィルムにデータを出力し、商材に印刷するための転写シートを作成する手法のことです。この転写シートを作成するのが「DTFプリンター」になります。これまでさまざまな転写シートの作成方法がありましたが、このDTFシステムは安価ながら高品質かつ、だれでも手軽に作成できる手法で、2020年の春頃にヨーロッパなど海外で普及し始め、2020年の秋頃から世界で急速に拡大しています。 転写シートの作成における工程を自動で行うため、省力化や生産コストの削減が実現できるDTFは価格競争が激しいウェアプリント業界でも有効です。大量生産から小ロットにも対応可能で、 プリント市場の拡大に貢献する画期的な印刷方法と言えます。 DTFプリンターでは、まず水性顔料インクで専用の転写シートにインクジェットプリントし、出力されたデザイン部分のみにパウダー状のホットメルトバインダーが塗布されます。そのままヒーターを通してパウダーが固まり、転写シートを作成します。この工程をDTFプリンターが自動で行ってくれるので、人手が必要な作業はフィルムをカットし、転写シートをボディにセットして熱プレスをかけるだけ。「カス取り」「リタック」「製版」「白版データ作成」などは一切不要で、デザイン周りにフチが付かず、従来の転写プリントでは再現が難しかった細やかなデザインでも1点からプリントすることができます。色落ちや生地の伸びによる割れにも強く、洗濯耐性が高いところも特徴です。
ホワイトインクを塗布するプリント方法では「白版データ」の作成が必要になるケースがありますが、 「DTFプリンター」では白版データの作成不要でPNGデータをそのままプリントすることが可能です。例えば、1つのデザインに対して白版データの作成に3分程度かかる場合、1,000デザイン分の生産にあたり データ処理だけで約50時間かかってしまいます。「DTFプリンター」であれば、この白版データの作成が不要なので、その分の時間をプリント工程に充てられることでより素早い生産が実現でき、バリアブルなデザインでの発注が見込まれる1枚からのオンデマンド生産において有効です。
対応素材:綿、ポリエステル、ナイロン 他
プリントしたいデザインデータを、転写シートにプリント出力します。転写シートにカラーインク、ホワイトインクの順に印刷されます。
印刷された面に、パウダー状の ホットメルトバインダーを自動で振りかけます。余分なパウダーが落とされ、ヒートトンネルをくぐることで、パウダーが溶けて固まります。フィルムを冷却し巻き取りします。
Tシャツやバッグなどに転写シートを置き、熱プレスします。
冷却後シートを剥離すれば、プリント完成です。
「DTFプリンター」で実現するDTFプリントでは、 プリント&カットなどでは必要な、カス取りやリタック作業が不要です。そのため大幅に作業時間を短縮できます。 従来の一般的な転写と比較し、シート作成コストを約78%削減できます。(当社調べ)
もっとも古くからあるプリント方法で、 1色ごとに製版が必要で版代というものがかかります。 イメージマジックでは版代不要のシルクスクリーン印刷「IMシルクスクリーン」もありますが、1色ごとに色を刷ります。そのため 色数が増えるとその分価格も上がっていきます。大量生産時には安価で作る事ができ、インクを変えれば様々な素材にプリントできますが、素材の種類や刷る色によっては熟練度が必要で、 仕上がり品質に、素人と職人の差が大きく出ます。インクの種類も油性インク水性インクがあり、メーカーによって微妙に風合いも使い勝手も異なります。手動で作る印刷機は安価なものもありますが、製版器や紗張り機や自動印刷機など全て揃えるには数千万円以上かかります。
DTG(Direct to Garment)と呼ばれる、衣類に直接インクジェットプリンターで塗布する方法は、プリンターの進化によって普及してきました。以前は印刷スピードも遅く画質もよくありませんでしたが、年々印刷スピードも速くなり画質よくなってきました。しかし、黒いTシャツなどの 濃色生地へ印刷する場合では必ず前処理が必要となるため、この 前処理の塗布の仕方で、仕上がりも大きく変わってしまいます。前処理を自動で塗布する機能を備えたプリンターもありますが、同じ綿Tシャツでも 品番が変われば微妙に前処理の塗布量を変更します。ここでも熟練度が必要です。
転写は転写シートをTシャツなどの生地に熱で貼り付けます。貼り付ける際には、「熱プレス機」「転写機」「熱圧着機」「ヒートプレス」など、様々な呼び方がありますが、 Tシャツに転写シートを乗せ、一定時間の熱と圧力をかけることで様々な素材の生地にプリントできます。 イメージ・マジックのDTFプリンターは、この転写シートが高品質で簡単に作れるプリンターです。
シルクスクリーン印刷 | インクジェットプリント |
![]() DTFプリント |
|
---|---|---|---|
用途 | アパレル、スポーツ、ノベルティ、ユニフォーム | アパレル、ノベルティ | アパレル、スポーツ、ノベルティ、ユニフォーム |
フルカラー印刷 | ×
不向き |
◎ | ◎ |
素材 | 素材に合わせてインクを変更 | 綿 | 綿・ポリエステル・ナイロン等 |
摩擦耐久性 | ◎ | △ | ◎ |
最低生産ロット | 10~ | 1 | 1 |
熟練度 | 必要 | 濃色生地は必要 | 不要 |
製作時間 | 1時間 | 淡色 5分
濃色 15分 |
5分 |
カラーコピー機やレーザープリンターの登場と共に進化してきました。トナー転写は、熱で貼り付くシートの上にトナーを乗せ、周りをハサミで切ったり、トナー部分だけに白いシートを貼り付け不要な部分を取り除いて転写する方法ですが、 トナーの粒子の大きさは、インクジェットのインクよりも粒子が大きいため、高画質化には限界があります。また、トナーは静電気を使って印刷するため、プリンターに合わせて転写紙の開発や調整が必要ですべてのレーザープリンターの機種で使えるとは限りません。
白いシートに油性インクのインクジェットプリンターで出力し、デザインに合わせてカッティングマシンでカットします。デザインデータとカッティング用のカットパスの2つのデータを用意し出力します。 カットしたあとは不要な部分を剥がすカス取り作業が必要で、細かいデザインではカス取り作業に膨大な時間を費やすこともあります。そのためカス取り作業時間を短縮するため特に細かいデザインでは、Tシャツなどの生地色と同じ色をデザインの周りに数ミリの台座を付けて印刷することで、カス取り作業を減らしていましたが、カス取り作業を無くすことはできず、やはり手間がかかる作業でした。カス取り後にはリタックフィルムに貼り付け熱プレスしてプリントします。
印刷品質はトナー出力のため色の再現性には限界があります。デジタル転写で多く使われているプリンターのトナーは、CMYKの4色のトナーを使用しますが、黄色のYトナーだけ染料が使われている事が多く、転写シートの裏面が黄色くなっており、黄色の部分が昇華して色が飛んでしまいます。 転写紙に出力したあとに、 シルクスクリーン印刷で白インクを刷り更にバインダ―糊の版を作ります。そのため製版代がかかってしまうため1枚から作る場合では値段がかなり高くなってしまいます。
「DTFプリント」の転写シート作成方法では、 煩わしい「カス取り」「リタック」「製版」の作業は全て不要で、熟練者による特別なスキルも全く必要ありません。従来のマーク作成と比較し、 シート作成コストを約78%削減できます。(当社調べ) プリントのデザインについても、従来の転写プリントでは、手作業でデザインの余白を取り除くため、細かいデザインや文字の場合はデザインどおりのカットが出来ませんでした。DTFプリントシステムでは カス取り時の、人的ミスによる剥き漏れや部分欠損も発生しません。
また、 耐摩擦性に優れ、綿、ポリエステル、ナイロン等への加工が可能なため、アパレルでのTシャツ、パーカー、キャップ等へのプリントのみならず、製品の耐久性を求められる スポーツアパレルや、複雑で細かいデザインを求められる ユニフォーム加工でも活躍いたします。
DTFプリントは、 1枚から高品質で誰でも簡単に様々な素材にプリントすることができるプリント方法です。新しい技術要素はありません。ホワイトインクが無かった時代では実現できなかった手法ではありますが、ホワイトインクにそのままパウダーを自動で乗せてそのまま自動でコンベアにくぐらせた。たったこれだけの事が今までになかったことです。
トナー転写 | プリント&カット | デジタル転写 |
![]() DTFプリント |
|
---|---|---|---|---|
発色方法 | レーザープリンター | 油性インクジェット | レーザープリンター
+ シルクスクリーン印刷 |
水性インクジェット |
カス取り | 不要 | 必要 | 不要 | 不要 |
バインダ― | シート | シート | ホットメルトバインダ― | ホットメルトバインダ― |
版代 | 不要 | 不要 | 必要 | 不要 |
製作工程 | 2工程 | 3工程 | 3工程 | 1工程 |
製作ロット | 1~ | 1~ | 100~ | 1~ |
アパレルのみならず、スポーツアパレル、ユニフォーム加工でも活躍
衣類(Tシャツ、スウェット他)はもちろんのこと、 バッグや帽子等さまざまなグッズを1枚から製作できます。
綿・ポリエステル製品に対応。耐摩擦性に優れ、細かい文字もフチなしで加工できます。
小ロット生産はもちろんのこと、大量生産にも対応。効率よく生産し、生産性を追及した加工ができます。
特に美術系の学校では自分でプリントする機会が多い学校などでは この1台で多くの学生に重宝します。 またクラスTシャツも自分でプリントする体験研修の一環としても活躍します。
当社が提供するDTFプリンターについてご紹介いたします。
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DTFプリントの概要や特徴についてご紹介いたします。
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高品質な独自開発の日本製インクについてご紹介いたします。
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「Trans jet」の摩擦堅牢度と洗濯堅牢度についてご紹介いたします。
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ホットメルトバインダーの安全性についてご紹介いたします。
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DTFプリントできる素材/商品についてご紹介いたします。
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日本最大級のDTFキャパシティで「DTFシート出力代行」請け負います。
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短期間だけDTFプリンターを使用したいなど、お客様のニーズに合わせた貸出も承ります。
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