DTFプリンターは「誰でも簡単にプロの仕上がり」が魅力ですが、運用を続けていると、いくつかの「壁」にぶつかることがあります。
「プリントの周りに油のようなシミができる」「四角いプレス跡が消えない」「白い文字がピンクに変色してしまった」…。
こうしたトラブルは、実は機材の故障ではなく、インクの特性や加工設定(温度・圧力)の調整不足が原因であることがほとんどです。
今回は、DTFプリント現場でよく起こる「3大失敗例」と、プロが行っている具体的な解決策をまとめました。
プリントした周辺の生地が、濡れたように変色したり、油染みができたりする現象です。特に淡い色のTシャツやトートバッグで目立ちます。
DTFインクには、ノズル詰まりを防ぐために「グリセリン(保湿成分)」が含まれています。フィルムをベーキング(焼き付け)する際に、この成分が十分に蒸発しきらないと、プレス時に熱で染み出して生地に移ってしまいます。
ヒートプレス機で圧着した際、熱板の形(四角形)に生地がテカったり、色が濃くなってしまったりする現象です。ポリエステル素材や濃色のTシャツでよく発生します。
プレス圧が強すぎて生地の繊維が潰れてしまうこと(アタリ)が原因です。また、ポリエステルは高温で「テカリ」が出やすい性質があります。
赤いポリエステルユニフォームに白い背番号をプリントしたら、数日後にピンク色に染まってしまった…。これが最も恐ろしい「再昇華(ブリード)」現象です。
ポリエステル生地を染めている染料(分散染料)は、130℃以上の熱がかかると昇華(気化)してしまい、上にあるインク層に向かって浮き上がってきてしまいます。
これは物理現象であるため完全に止めることは難しいですが、以下の工夫でリスクを大幅に軽減できます。
| 対策アプローチ | 具体的な方法 |
|---|---|
| プレス温度を下げる (低温圧着) |
染料の昇華は一般的に130℃付近から活発になります。 パウダーが溶けて定着するギリギリの温度(130℃〜140℃など)までプレス設定を下げ、加熱時間を短くすることで昇華を抑えます。 ※洗濯耐久性が落ちないよう、事前のテストが必須です。 |
| 昇華しにくい ウェアを選ぶ |
赤や黒などの濃色ポリエステルを選ぶ際、「カチオン可染ポリエステル」(カチオン染料で染めたもの)を選ぶと再昇華は起きません。 または、ポリエステル100%ではなく「綿混素材」を提案するのも有効な回避策です。 |
DTFプリントの失敗は、多くの場合「知識」と「正しい資材選び」で解決できます。
これらの対策を知っているだけで、ロス率を大幅に下げ、お客様に自信を持って商品を納品できるようになります。
イメージ・マジックでは、トラブルの起きにくい高品質な機材はもちろん、再昇華対策用のパウダーや、跡がつきにくいプレス機などの周辺機器もトータルでご提案しています。
「今の環境でトラブルが解決しない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
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